私のCG歴
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Update (2006/02/06)   

bulletPOV-RayでCG製作再開

2000年9月、3DCG=3次元・コンピュータグラフィックスを再開しました。

実は、1990年頃、貧弱なPC(i386マシン)で、当時はまだ物珍しかった3DCGを長い時間をかけて作成していました。そのころは、C-TRACEというレイトレーシングの3DCGソフトを使っていました。プロの世界ではワークステーションで稼動する性能も値段も高級なソフトが使われていて、ビデオゲーム産業の急速な成長に合わせて、それらのCG製作ソフトも急速に進化してゆきました。 一方、アマチュアが趣味で購入できる範囲の価格帯にあるソフトは、しばらくするとその商品としての進化が中断あるいは停止してしまったように思えます。そうこうするうちに、転勤でCGの仲間たちと離れたこともあって、私の趣味のCG製作は尻すぼみになっていました。

ところが、2000年9月、インターネット上で、POV-Rayというすばらしいフリーの3DCGソフトを見つけました。見つけたというより、こんなにすばらしく進化して世界中に普及していることを再発見したというのが本当です。おまけにこのPOV-Rayというソフトの、テキストベースでシーンファイルを記述しレンダリングする手法が、以前使っていたC-TRACEと非常に似ているので、すぐに理解しなじむことが出来ました。

2000年9月28日、POV-Ray(多分versionは、3.1gでした)をインターネットでダウンロードし、教科書として(「POV-Rayではじめるレイトレーシング」、小室日出樹著、 ASCII出版局)を使い、1990年頃の自作CG作品のリメイクを開始しました。

2000年10月3日、一応それらしいリメイク習作が出来上がりました。1990年(10年前)の作品と比べ、約2倍の部品数で構成されているシーンです。1990年の作品はPCのレンダリング処理時間は9日間。2000年10月のリメイク習作のレンダリング時間は、たったの2分半。ざっと、5000分の1の処理時間で済んでしまいました。しかも 昔の作品の解像度は640*400ドット、リメイク版は1024*768ドット。画像の面積にして約3倍になっているにも関わらずです。

2000年9月当時の手持ちの最も速いPCは、Pentium3(800MHz)メモリ256MB。それから5年後の現在(2005年8月)では、Pentium D(3.2GHz)メモリ3GBになりました。このPCでPOV-Ray3.6を使い、同じデータをレンダリングしたところ、49秒かかりました。この場合は、クロック差ほどは速くなっていません。一方別の巨大なデータ をレンダリングした場合では、Pentiun4(1.8GHz)メモリ640MBのPCで33時間強かかったものが、Pentium D(3.2GHz)メモリ3GBのマシンでは10時間弱で終了しましたから、データの性質、サイズなどにもよるのでしょう。

bulletCSGにはまる

CSGとは Constructive Solid Geometry の略で、複雑な立体を primitive と呼ばれる基本立体(立方体、球、円柱、円錐等など)を組合せて表現する方法です。基本立体を足したり引いたりして、イメージする形を作り出してゆくのですが、そこのところが「レゴブロックを組み立ててゆく」のに近い面白さがあるのです。 論理演算が出来るところが、ワンランク上のレゴという感じです。

3DCGと言えば、画面上で線分や面を、移動させたり、伸ばしたり、切ったり、曲げたりしながら、インタラクティブに複雑な形を作り出してゆくリアルタイムなモデリングをイメージするのですが、CSGでのモデリングは相当異質です。しかも、POV-Rayには、モデラーは無く、あるのは、シーンファイルを記述するテキスト・エディタだけです から、一時代前のC言語のプログラミングの雰囲気です。次は、POV-Rayのエディタで、シーンファイルを記述している例です。

POV-Rayのエディタで、シーンファイルを記述している例

もちろんPOV-Rayでは、ポリゴンなどで組み立てたパッチ・モデルの立体もレンダリングできるのですが、その場合は別にモデラーが必要になります。 次は、パッチ・モデリングのツール・metasequoiaのモデリング例です。

パッチ・モデリングのツール・metasequoiaのモデリング例

このオブジェクトをPOV-Ray形式のシーンファイルとして出力したものを、POV-Ray側で取り込んでレンダリングします。パッチ・モデリングではCSGの primitive では実現できないような複雑な面で構成された立体が自由に生成できるのですが、マウスで線分や面を選択し、押したり引いたりする操作に、なかなか馴染めません。

私の場合は、芸術的な絵や彫刻と言った風なものを作るところにそれほど興味があるのではなくて、どちらかと言うと「レゴ」や「プラモデル」に近い楽しみ方、つまりCSGで基本立体を如何に組み合わせてイメージに近い立体を組み立てられるか、というとところに惹かれているようなのです。

ですから、このホームページにアップしている画像の大半は、特別なモデラーは使わず、POV-Rayのテキストエディタ上で直接SDL(シーン記述言語)を使ってシーンファイルを作成し、レンダリングしたものです。

現在、POV-Ray以外にも、別ページ(ツール)で触れている各種ソフトをインストールし使ってみていますが、最終画像を生成するところまでマスター出来たものはありません。

bullet2000年以前の3DCG歴

<< BASICによる自作プログラムの時代 >>

1985年頃、山本強著「THE 3 DIMENSIONAL COMPUTER GRAPHICS(パソコンによる3次元グラフィックスの実際)」CQ出版社、という書籍で、「光線追跡によるCG」を学びました。当時、プログラミングはお手の物でしたから、書籍内にあるBASICプログラムをベースに、N88日本語BASIC(86)(MS-DOS版)で機能拡張・改良しながら、延々と時間のかかる、レイ・トレーシングによる3DCG画像生成にトライしていました。

下の3点の画像は、不思議なことに、何故か今も手元に残っていたその頃の画像です。古いハードディスクの中に、点順次なRGBベタファイルの形で残っていたものを見つけ出しました。当時、カラーディスプレイのフルサイズ(640*400)の画像を計算し終わるのに、 日単位で気の遠くなるほどの時間がかかっていましたから、捨てるに忍びなかったのでしょう。ハードディスクの時代になって、フロッピーを整理廃棄する時に、コピーして保存したのだと思います。

きのこモドキ

家モドキ

機関車モドキ

きのこモドキ 家モドキ 機関車モドキ

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このころから機関車と煙への拘りが見えますね(^_^)。基本物体を組み合わせてイメージどおりの形を組み上げ、光を当ててその画像を生成するという、演算による「レゴ」か「プラモデル」組み立てのような面白さに取り付かれたようです。

<< C-TRACEの時代 >>

1989年〜1992年頃、株式会社キャストのC-TRACEという光線追跡法による3DCGソフトを使っていました。この頃、C-TRACEにはX-68000のHuman68k用と、PC-9801のMS-DOS Version2.11以上用がありました。私の場合は、PCはPC-9801シリーズとEPSONの互換機の時代でしたから、当然MS-DOSでの利用です。 ただし、フルカラー表示のためのグラフィックボードが必要で、私の場合、HyPER-FRAME、写像などのフレームバッファを使用していました。

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バギー

ガン

複葉機

バギー ガン 複葉機

城と湖のある町

ドラゴンと鏡の洞窟

ミニドラゴンとサボテンの花

城と湖のある町 ドラゴンと鏡の洞窟 ミニドラゴンとサボテンの花

金魚藻と花

ジェットフォイル

金色の機関車

金魚藻と花 ジェットフォイル 金色の機関車

緑の谷のLOCOMOTIVE

並走する機関車

熱帯魚とサンゴ

緑の谷のLOCOMOTIVE 併走する機関車 熱帯魚とサンゴ

丁度、時代がIBM互換機とDOS/Vと、その上で動くWindowsに移行するころでした。Programingの環境は急速にWindowsベースに切り替わってゆきます。 その頃はまだ、PC-9801シリーズは相変わらず圧倒的なシェアを持ってはいましたが、IBM互換機とWindowsのようなハードウエアとソフトウエアの互換性はありませんでした。

1993年、初めてのDOS/V機でWindows環境を構築してから以降は、PC-9801の独自環境でしか動かないC-TRACEに触る機会が激減してしまいました。その上、当時はWindows Programmingに夢中だったこともあって、古いハードとソフトは忘れ去られてしまいました。

それから数年後、2000年9月、インターネット上でPOV-Rayを見掛け、3DCGを再開することになりました。

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